みなさんは、住宅外壁や屋根の塗装を業者に依頼したとき、どの様な順番で作業するのをイメージされていますでしょうか?住宅の周りに足場を組んで、早速、下地剤を塗り始める?いいえ。塗装の前には欠かす事のできない大事な工程があります。それは高圧洗浄です。今回はこの高圧洗浄について詳しく解説します。
◆外壁の高圧洗浄って必要なの?
外壁の塗装をする前に、高圧洗浄をする事について、懐疑的な方も中には居らっしゃると思います。ですが、結論から申し上げますと、高圧洗浄は塗装前に必須の作業です。理由を説明します。
住宅の外壁や屋根は、新築時から年数を経過すると、排気ガスなどで汚れてきます。カビやコケ、藻などが付着している場合もあります。また、太陽から降り注ぐ紫外線により、チョーキングと呼ばれる塗膜が粉上に変化する現象も起きます。高圧洗浄はこれらを取り除くために絶対に欠かす事のできない作業なのです。
ではなぜ、これらを除去せずに塗装作業を始めてはいけないのでしょうか?
答えは簡単です。コケや藻などの上から塗装をしても、生命力の強いコケや藻はすぐに塗膜の表面に姿を現してきます。また、チョーキングの起きている古い塗膜の上に新たに塗装を施しても、塗膜が定着せず、浮き上がった状態になってしまいます。その結果せっかく塗装してもすぐにはがれてきてしまうという現象が起こりうるのです。
◆高圧洗浄の作業はどの様に行うの?
前項で高圧洗浄の必要性がわかっていただけたと思います。この項では高圧洗浄作業の方法を説明します。高圧洗浄の作業を行うには、まず住宅の周囲に足場を組む必要があります。
これは鉄パイプとジョイントと呼ばれる専用の金具を組み合わせたものに、足場板と呼ばれる板を固定して組み上げられます。熟練した職人さんが作業をすると、あっという間に建物を覆う足場が完成します。
次に、高圧洗浄機を用意します。これは塗装業者が自前で用意する場合がほとんどですが、リースの高圧洗浄機を利用して作業を行う業者もある様です。
高圧洗浄機の射出する水の圧力は非常に高く、15Mpa(メガパスカル)と言って150キロもの圧力があります。因みに、通販番組などで、家庭用の電動高圧洗浄機を販売しているのを見かける事がありますが、こちらは一般的に50キロ程度の圧力ですので、塗装業者が使うエンジンタイプの高圧洗浄機はパワーが段違いです。
◆高圧洗浄に掛かる費用は?
カビや藻が広範囲に及んでいる場合は、バイオ洗浄剤という特殊な液体を使う場合もあります。その場合は料金が若干高くなります。
高圧洗浄の作業には、1分間におよそ12から15リットルの水を使います。大量の水道水を使うので、さぞかし水道料金がかさむと思われがちですが、通常、一軒家の洗浄に掛かる水道代は1000円から2000円程度に収まります。その他に技術費として、100円~300円/㎡バイオ洗浄450円~850円/㎡程度が掛かります。
通常、一軒家の外壁の高圧洗浄は半日から1日程度で完了します。高圧洗浄が終わった後は、24時間から48時間の養生機関(乾燥期間)を置いて、塗装作業へと移ります。
◆まとめ
今回は、塗装の前の工程として非常に重要は高圧洗浄について解説しました。この記事を読む事で塗装に関する理解が少しでも深まれば幸いです。